ヨガとピラティスは効果が違う!それぞれの目的とは?

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女性に人気のヨガとピラティスですが、このふたつはどう違うのでしょうか。「え?同じようなものじゃないの?」と思ったあなたのために、それぞれの目的や効果をまとめて、選ぶ基準や向き不向きを考えてみました。

 

ヨガとピラティスの違い5つ

ヨガとピラティスは一見似ているようで、実は大きな違いがあります。違う点を5つ挙げてみました。

起源

ヨガは、今から約4500年前のインダス文明の時から存在し、解脱の方法として体系づけられ発展していったものと言われています。紀元前300〜350年頃には、社会的にもヨガが修行法として確立され、認知されていました。

 

ピラティスは、1920年代、ドイツ人従軍看護師ジョセフ・ピラティスが、収容所の患者がベットの上で行えるリハビリとして考案した独自のエクササイズです。

 

ヨガの歴史は大変長いものですが、ピラティスは比較的新しいものだと言えます。

 

目的

ヨガはもともと宗教上の修行法として確立されたもので、長時間無理なく瞑想を続けられる身体作りが目的のものでした。現在のヨガとは少し違い、瞑想や座法が中心の動きが少なく精神的な鍛練として存在していました。

 

それが時を経て、現在ではフィットネスとして多くの人が実践し、精神の安定や身体の柔軟性向上などが主な目的となっています。

 

ピラティスは、リハビリのためのものとして考案されたもので、最初からインナーマッスルを中心とした筋肉を鍛えること、骨盤や身体の歪みを矯正して身体の機能を回復させることが目的とされてきました。

 

一言でいうと、ヨガの目的は精神的なもので、ピラティスの目的は肉体的なもの、ということになります。

 

動き方

ヨガは激しく動くというより、流れるような動きでポーズをとり、それをキープする形で静止をします。ほとんどの場合、最初に瞑想をして精神統一をしてから動いていきます。


ヨガのポーズは一般的なもので200種類ほどあると言われ、動物や物の名前がついていることが多いことで知られています。「ダウンドッグ」や「弓のポーズ」など独特の名称があり、ヨガの大きな特徴となっています。


一部の流派で、正しいポーズをとるための補助として道具を使うことはありますが、基本的には道具や器具を必要としません。


また、どちらかと言えば身体を鍛えるというより、緊張と弛緩を繰り返して身体をしなやかにすることに重点が置かれています。

 

ピラティスは、ヨガのような瞑想は行いません。常に身体を動かしながら、主にインナーマッスルを鍛える動きをします。


身体を鍛えることに重点を置いてはいますが、リハビリのために考案されたエクササイズなので、比較的ゆるやかな動作で負荷が小さく、老若男女問わず誰でも実践できるという特徴があります。

 

また、特殊な専用マシンやバランスボールなどの道具を使うというのも、ヨガとは異なる点です。

 

呼吸

ヨガは腹式呼吸で行います。口を閉じて鼻で行う呼吸で、腹筋を使って横隔膜を上下に動かすので、息を吸うとお腹がふくらみ、息を吐くとお腹がへこみます。

ピラティスは胸式呼吸で行います。肋間筋を使うので、息を吸うと肋骨が大きく広がって胸が膨らみ、息を吐くと胸がへこみます。

 

効果

ヨガで行う腹式呼吸は、副交感神経の働きを活発にし、リラックス効果があります。ストレスを軽減させたり、心を平穏に保つ手助けになります。

 

副交感神経が活発になることで、自律神経のバランスが整い様々な身体の不調が改善されます。ヨガを始めて便秘や肩こり、冷え性の症状が軽くなったりするのはこのためです。

 

これらの効果は、比較的長期間実践していくことで実感することができます。

 

ピラティスで行う胸式呼吸は、交感神経の働きを活発にし、体や頭をスッキリさせ活動的にさせる効果があります。

 

交感神経が活発になると筋肉が緊張状態になり、それが負荷となって効果的にインナーマッスルが鍛えられます。


また、もともとはリハビリのためのものなので、ヨガに比べて短期間で効果が出るように考えられています。

 

ヨガとピラティスの共通点

ヨガとピラティスを比べてみると、こんなにも違う点があるということがわかりますが、似ている点もたくさんあります。

 

ヨガは精神に、ピラティスは肉体にアプローチしていくという点では異なるのですが、どちらも心身のバランスを整え、健康的な身体づくりを目指すという点では共通しています。

 

ヨガもピラティスも、一般的なマシンやバーベルを使う筋力トレーニングと違い、小さな負荷で無理なく行えるので、年齢を問わず誰でも実践でき人気があります。

 

自立神経に働きかけることでホルモンバランスが整い、美容効果やダイエット効果が期待できる点も共通しています。

 

こういったことから、ヨガとピラティスがよく似ていると言われていることも納得ができます。

 

ヨガ・ピラティスを選ぶ基準と向き不向き

ヨガとピラティスどちらを選ぶべきかは、あなたが何を求めているかで自然に決まってきます。

 

心に不調や問題を抱えているならヨガ、身体のパフォーマンスを向上させたいのならピラティス、というように、抱えている悩みが精神的なものか肉体的なものかが決めてになるのです。

 

しかし、必ずどちらかに絞らなければいけないという決まりはありませんので、興味があればふたつとも行えば良いのです。実際、ヨガとピラティスを並行して実践する人は多くいます。

 

向き不向きは、始める前は特に考えなくて良いでしょう。

 

ヨガもピラティスも、その人に合わせて難易度を変えることができるので、好きか嫌いかは別として、「できない」「向いていない」ということはないのです。

 

もしも「向いていない」と思うのであれば、それはまだ「慣れていない」ということではないでしょうか。ヨガもピラティスも、始めたばかりの時はよくわからないことも多く、良さや面白さが実感できないこともあります。

 

ヨガ・ピラティスの違いや効果をまとめてみると…

ヨガとピラティスは、起源や内容、目的や効果などからも大きく違うことがわかりました。

 

しかし、健康な心身を作るためのもの、という点では同じです。

 

どちらを選んでも、きちんとした方法で実践していけば、きっと期待通りの効果が得られることでしょう。また、どちらかに限定せずに、ヨガもピラティスもいつでも自由に行うことができます。

 

それぞれの目的を理解し、その時あなたが必要としている方を選んでください。

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